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過去と未来を繋ぐアサギ椀

江戸時代初めの京では、アサギ椀という漆椀が使われていたと文献に残っていますが、肝心の漆椀が全く遺されていません。木地師の西村直木さんからご相談を受け、現代にアサギ椀を復興するプロジェクトを一緒に立ち上げたのが2017年のことでした。ものの本にはその存在は語られているものの、どんな形をしていたのかさえ分からない状況の中で、私たちは現代のアサギ椀を作ることにしました。普段は直木さんがロクロで棗の形を作り、西村圭功は真塗の棗を塗っています。その技術を活かし、京都の常の暮らしで使える漆椀を作ればいいのではないかと。
アサギ椀は、「塗り込み下地」という技法で作られています。漆を刷毛で塗り、木炭で研ぐという工程をひたすら繰り返すことによって出来上がっています。常の暮らしで使うものなので、どうせ作るのなら京都産の木を使い、低価で堅牢な京都の漆椀を作りたいと思いました。
アサギ椀の復興を最初に提案された木地師の故石川光治さんのご子息・石川良さんにご協力戴き、木材生産者さんから直接ヒノキを購入することができました。また4代続く堤淺吉漆店の堤卓也さんのご協力も得て、アサギ椀は完成しました。
京都の漆椀らしく、軽やかでありながら堅牢、それでいて存在感のある器ができました。それは京都の姿そのものであり、今までにない漆椀が生まれました。しかしこれはゴールではありません。これが未来に向けての第一歩です。先ずは京都中の食卓にアサギ椀が並ぶ日を夢見て。

アサギ椀

素材 京北産ヒノキ、漆
価格、寸法 大 130/80mm ¥18,700(税込)
中 115/73mm ¥15,730(税込)
製造 木地 永井 綾/上田 量啓
塗り 飯島勇介/後藤久美
発起人 石川 光治(石川漆工房)
西村直木(ロクロ木地師)
サポートメンバー 西村 圭功・西村 洋子(西村圭功漆工房)
堤 卓也(堤淺吉漆店)
石川 良(石川漆工房)
協賛 一般社団法人パースペクティブ
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写真 宮下直樹_Naoki Miyashita

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