2016.11.15
うつすことから

2014年6月21日(土)−29日(日)
初日21日は、作家も在廊致します。

今回の「うつすことから」は、加藤良行さん(木工)、西村圭功さん(漆工)、濱中史朗さん(陶工)にご出品頂きます。
加藤さんは宮大工を経て木工の道へ、西村さんは京都の塗師の三代目、濱中さんは萩焼の窯元の二代目です。それぞれが伝統を鑑み、精緻な技術をもって現代にいきる器を作っています。一見した時の緊張感と手に持った時の心地よい安心感は、三者の作るものに共通の魅力です。
猿山修は、18世紀イギリスのピューター皿を選びました。質素で素朴な印象ながら、背筋の伸びるような美しい皿です。これを三者はどのようにうつすのでしょうか。
うつすことは純粋に形を模することからはじまります。模することは、手を慣れから解放します。普段の仕事ではむしろ徹底的に手を慣らすことによって、無意識の方へ降りていき、そして形が生まれるのでしょう。
しかし、目前には模すべき対象がはっきりとした形を持ってあるのです。いつもと違うことをするという不自由には、慣れと同じくらい美しいものが生まれる予兆を感じます。見つめて触って作るうち、なぜこの形なのか、どうしてピューターである必要があったのか、何がこの皿を美しい皿にしているのか、答えが見えてくるでしょう。形、素材、時代…必然性の全てが凝縮されて詰まっています。それは、美しさの理由の断片かもしれません。
三者はこの断片を集めてそれぞれの素材に置き換え、技術をもって、一枚のピューター皿から派生した器のバリエーションを作ります。それが皿になるのか、碗になるのか、違う何かになるのか、不自由から自由への転換です。
表面的に写すことから、内容を移すことへ。
ピューター皿の持つ美しさの断片ー内容を三様の仕方でそれぞれの器に移すのです。そのためには写すことからはじめなければなりません。
「うつすことから」全てははじまります。
ー山本千夏

是非お出掛け下さい。

於「さる山」
営業時間1- 6 pm 会期中無休
東京都港区元麻布3-12-46和光マンション101
電話03-3401-5935
http://guillemets.net/
http://www.facebook.com/guillemets.layout.studio.saruyama

こちらの展覧会は、少々かたちを変えて1月から金沢に出店する「さる山」でも行ないます。
などと言うと、あちらにうちの店が出来るみたいですが、三ヶ月間だけの間借りなのです。

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